
わが国で実施されている中古車の売却方法のなかで、もっとも利用されているのは「車下取り」で、現在でもとてもポピュラーな方法です。
推定5割以上の方が、いまだに「車下取り」で愛車を手放されています。
いまだに、といったのは、毎年あきらかに、「車下取り」で愛車を売却される方が減ってきているからです。
確かに下取りには、「面倒でない」という最強の魅力があります。
しかし下取りは、適正な価格で車を売却できているのでしょうか?
残念ながら、答えはノーです。
車の売却方法

おそらくほとんどの人はどのようにして売るかよりも、どうすれば高く売れて損をしないのかを知りたいと思います。
そこで今回は長年中古車業界にいた私が、愛車の高額査定を実現するための方法をできるだけわかりやすく解説していきます。
車の売却方法には下記の様な3種類の方法がありますので、まずはそれぞれのメリットデメリットを見ていきましょう。
車の個人売買

昔の個人売買は雑誌やインターネットの掲示板や、家族や親せき、友人知人との間で行われていました。
現在はヤフーオークションなどのネットオークションでの売買が多くなっています。
個人売買のメリットは、車の値段は双方が合意すればいくらでも良いので、最高額で売れる可能性があることです。しかし現実的には売る方は高く売りたくて、買う方は安く買いたいので、一筋縄ではいきません。
また個人売買は受け渡し後の故障や、名義変更などのトラブル、代金が支払われなかったなど、トラブルが発生する場面が沢山あるのが致命的なデメリットです。
とくに見知らぬ相手と取引をする場合は、相手を100%信用することはできませんし、リスクは極めて高いでしょう。
安心して車を売りたい時は安全性と時間の浪費という観点から、とてもおすすめの愛車売却法とは言えません。
車の下取り

下取りとは車を買い換える際、車を購入する販売店(ディーラー)に今乗っている車を売って、購入する車の代金の一部に充てることです。
中古車下取りのメリット
下取りのメリットは、車を購入する販売店で下取りの契約まで全てできるので、手間が一切かからないという点です。
また、購入する車の納車と同時に引き渡せるので、代車の必要がないという点もメリットの一つでしょう。
古くから下取りが日本人に愛される理由は、「安心感」「面倒でない」この2つの魅力に尽きるでしょう。
中古車下取りのデメリット
一方で下取りのデメリットはとにかく査定額が低い!
そもそもディーラーは新車を販売するのが仕事なわけで、車の下取りはあくまでもオマケ的なサービスです。
下取りは本来しなくてもいいことなのですが、新車を販売するためにやむをえず始めたサービスなのです。
よくある営業マンのパターンなので、下記のような殺し文句を体験した人も多いでしょう。

下取りに出してくれたら値引きしますよ!
当然ながらこのパターンは、下取り額を下げて値引きしてるだけなので、実は1円も得をしてません。
ディーラーにとって、それほど重要でない下取りというサービスは、「損さえしなければいい最低ラインの価格」しか期待できません。
なぜならば、下取りの際本来の中古車市場の需要があまり反映されず、あくまでも下取り額はディーラーのマニュアルによって機械的に決まるからです。
ディーラーが加盟している社団法人日本自動車査定協会によって、以下のように下取り額の算出方法が定められています。
基本価格+加点(装備、車検残、色)-減点(ダメージ、内外装、修理歴)
これを見てもほとんどの人が、なかなかイメージは沸きずらいと思います。
そこで今回は分かり易いように、ディーラーの下取り額の現実をこっそりと暴露しちゃいます。
営業マン時代に数多くのお客様からディーラーでの下取り額を聞き出した結果、ざっくり言うと1年経過するごとに新車時の1/10ずつ価値が減っていくというのが私の方程式です。
例えば5年目で新車時の価格の半額になり、10年乗れば0円ということですね。
もちろん全てにあてはまるわけではないですが、私が営業マンの時1年目からいきなり半額以下になってしまった不運なお客様もいました。
そもそもディーラーは、中古車の査定や販売が本業ではないので中古車(特に他社の車)の評価が苦手です。
ですからトレンドに乗った人気の車種や人気のカラーであったとしても、適正な価格提示が難しく、弱気弱気の安い査定額になってしまうのです。


また、タイヤ・ホイール、エアロパーツ、オーディオ等、あなたがお金と手間暇かけて素敵な車にしていたとしましょう。
しかし残念ながら社外品が装着してあれば、まったく下取り査定額に考慮されないばかりかむしろマイナス査定の原因になることがあります。
故障や不具合が起こった場合、それが社外パーツに起因している可能性があると判断されるからですね
結論としてディーラーの下取り価格は、中古車の市場価格に比べてほぼ例外なく安くなるのです。
車の買取


買取とは中古車買取専門店などに、今乗っている車を売って現金を得ることです。
中古車買取のメリット
買取のメリットは何と言っても、買取価格です。
多くの場合で、下取りよりも買取専門店のほうが高額な査定をGETできます。
なぜならばディーラーは新車を売るプロなのに対して、買取専門店は車買取のプロだからです。
買取専門店の場合、買取価格は中古車業者間のオークション相場を基にしており、買取った車を現金化するまでの流通経路が確立されています。
中古車の価値は、需要と供給のバランスで成り立つものなので、下取りの様に人工的な価値基準で決められることがないわけです。
そもそも下取りよりも査定額が安ければ、誰もわざわざ買取店なんて利用しませんよね。
例えば、10年落ち10万キロの車を下取りに出した場合、ディーラーの機械的な計算式により良くて無料引取り、あるいは引取りさえ断られるでしょう。


しかし買取専門店の場合、価値がないと判断されがちな高年式車や多走行車でも、その車に適切な価値をつけて取引してくれる可能性があります。
そもそも現在の技術で作られた車は、10年くらいではまだまだ現役で走れますし、もう走れなくても使える部品に価値が付く場合もあるからです。
実際に高年式車や多走行車に力を入れている中古車買取業者もあるくらいです。
これは余談ですが今現在、私が乗ってる車も走行距離13万キロオーバーですが現役バリバリです。
また、輸入車は国産車と比べると故障のリスクが高く、部品なども割高になることから、下取りではとても納得できないような低額がつくことが多いです。


しかし、中古車買取業者はそれぞれ得意としている分野があるので、たとえ輸入車であっても高額で買い取ってくれる業者がいるのです。
もちろん輸入車やトレンドに乗った人気の車種の場合、下取りと買取りの価格差はより大きくなる傾向があります。
本人が気づいていないだけで、場合によっては数十万円から百万円以上も大損をしている可能性も十分あるでしょう。
また、自宅まで無料で出張査定してくれたり、名義変更などの手続きも全て代行してくれるので、とても簡単に車を売却できるという点も買取りのメリットです。
中古車買取のデメリット


もしも新しい車を買う場合、買取りは新しい車を買う所とは全く別の所で処理することになるので、新しい車との乗り替えがスムーズにいかないことも考えられます。
少しの間、車なしでの生活を強いられる可能性もあるので、車がないと困る場合は代車などの調整をしっかりとする必要があります。
また中古車買取専門店には独自の販売ルートを設けている業者もいるため、買取価格にばらつきが出る場合があり、相場の変動が非常に激しくなっております。
車買取の相場が日々変動することも、買取のデメリットになるでしょう。
最後に、高額買取してくれる業者を自分で探さなければならないのも、買取りのデメリットでしょう。
当然ながら少しでも高く売るには、できるだけ多くの買取業者に足を運んだり、査定してもらう必要があるので、決して楽なものではありません。
そこらへんに関しては、1店舗しか行かなくていい下取りに比べてデメリットと言えるでしょう。
プロが断言!車下取りか車買取で迷ったら答はコレ


現実的に、ほとんどの人が下取りか買取の2択になります。
元営業マンの私が出した結論は、車の乗り替えで時間や手間を一切掛けたくない人なら車下取りを推奨します。
逆に多少面倒でも少しでも高い金額で車を売却し、損したくない人には車買取をオススメしておきます。
車の売買で損をしない秘訣は急がば回れです。
売る時は1円でも高く売る、買うときは1円でも安く買う、しっかりと売り買いを分けて考えましょう。
シンプルなんですが人間ついつい楽をしてなかなか実行できないですよね。
損の額については人それぞれで、数万円という場合もありますし、場合によっては数十万円以上という場合もあるでしょう。
もしも1回ごとに 10~50万円ほど差額が出た場合、生涯において手元に残るお金が数百万円以上の違いを生むことも十分あり得ますね。
最後にワンポイントアドバイス


ここまで読めば下取りにも買取りにも、それぞれメリットデメリットがあるのが理解できたと思います。
しかし買取の場合は、「高額買取してくれる業者を探さなければならない」というデメリットを解決してくれる便利なサービスがあるのでついでに覚えておきましょう。
それが最近の主流になりつつある、中古車一括査定サービスです。
車などの情報をスマホやパソコン等から一回入力するだけで、無料にて多数の買取業者に査定依頼をすることができます。
もはや使うのが当たり前になっており、逆に利用しない理由がないので愛車を1円でも高く売りたい場合は必須と言えるでしょう。
どんなサービスかもっと知りたい方は下記記事もついでに読んでみてくださいね。

